京都離婚相談室

離婚について

離婚の方法

離婚の方法

お互いに離婚することは同意しているけれど、離婚の条件について話がまとまらない…。離婚した後で困らないようにしておきたい…。協議離婚がむずかしければ、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる方法が考えられます。調停が不成立となれば、裁判離婚という方法があります。

協議離婚
夫婦で話し合いをして合意ができれば、「離婚届」を提出することによって離婚が成立します。協議離婚には、公正証書を作成する場合と、作成しない場合の2つのパターンがあります。

公正証書を作成しない場合

届出時期
…随時
届出先
…本籍地または所在地の役所に「離婚届」を提出します。
費用
…無料
特徴
…早い。費用の心配がいりません。口約束や当事者で作成した合意書の場合は、養育費なとの支払いが滞っても、ただちに強制執行(給料や預貯金の差押えなど)の申立をすることができません。このようなデメリットを避けるためには、公正証書による方法があります。

公正証書を作成する場合

公証人役場に出向く人
…原則として夫と妻の2人が窓口に出向く必要があります。
必要なもの
…写真付き身分証明書と認印(または印鑑証明書と実印)
費用
…詳細は公証人役所のホームページなどでご確認ください。

【例】夫が、妻に対し、養育費毎月3万円(子1人3歳、20歳になるまで)及び財産分与200万円を支払う場合

届出時期
…公正証書作成後に「離婚届」を提出することをおすすめします。
届出先
…本籍地または所在地の役所に「離婚届」を提出します。
特徴
…比較的早いです。支払いが滞った時に、強制執行を行うことができます。費用がかかります。夫婦間で合意できなければ、公正証書を作成することができません。
調停離婚
家庭裁判所で、調停委員と裁判官が間に入って話し合いを行い、離婚条件を含めて合意ができれば、調停調書に合意内容が記載され、離婚が成立します。
調停の申立
…夫または妻
調停の管轄
…相手方の住所地の家庭裁判所(または当事者が合意で定める家庭裁判所)
費用
…収入印紙1,200円分、切手
届出時期
…調停成立日から10日以内
届出先
…本籍地または所在地の役所
届出に必要なもの
…調停調書の謄本、戸籍謄本、印鑑
特徴
…費用が比較的安いです。第三者を介して話し合いができ、希望すれば夫婦が顔を合わせることなく(夫婦が同席せずに)調停を進めることができます。支払いが滞った時に、強制執行を行うことができます。
調停は。1〜2か月に1度のペースで行われることが多いため時間がかかります。
裁判離婚
家庭裁判所に離婚訴訟を申し立て、民法の定める離婚原因があると認められれば、判決によって離婚が成立します。訴訟中に和解によって離婚が成立する場合もあります。なお、原則として、まずは調停を申し立てなければならず、調停が不成立になれば離婚訴訟を提起することができます。
訴訟の堤起
…夫または妻
訴訟の管轄
…自分または相手方の住所地の家庭裁判所
費用
…収入印紙(請求する内容によりことなります)、切手

【例】養育費(子1人)及び財産分与200万円を請求する場合印紙代15,400円

届出時期
…判決確定日(または和解成立日)から10日以内
届出先
…本籍地または所在地の役所
届出に必要なもの
…判決書謄本とその確定証明書(または和解調書の謄本)、戸籍謄本、印鑑
特徴
…相手が離婚を拒んでいても、民法所定の離婚理由が存在すれば、離婚が認められます。
支払いが滞った時に、強制執行を行うことができます。

※上記のほかに「審判離婚」という方法もありますが、あまり利用されていません。

離婚後の手続き

ますば離婚届の提出を

ようやく離婚が成立。でも、実はその後の手続、いろいろ大変です。まず、協議離婚以外、つまり調停や裁判で離婚した場合は、裁判所から役所に自動的にその旨の連絡が行ったりはしませんので、離婚した事実を報告するため、10日以内に役所に届出が必要です。この場合は、協議離婚と違い、離婚届に相手方の署名押印と証人2名の署名押印をする必要はありません。ご自分の署名・押印のみで結構です。この離婚届と、離婚が成立したという事実のみが記載された調停調書や判決書の「省略謄本」(※裁判所から送付されます)を、役所の市民窓口等に提出してください。提出は、本籍地か住所地の役所になりますが、本籍地以外で提出されますと、そこから本籍地の役所に送って戸籍の変更を行うことになりますので、新しく戸籍ができるのに時間がかかります。

姓を変えないための手続

結婚により姓が変わった方が、婚姻後の姓をそのまま使う場合には、離婚から3ヵ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届(通称:婚氏続称届)」の提出が必要です。

保険・年金、お忘れなく!

今まで会社貴の夫の健康保険の被扶養者となっていた妻(3号被保険者)が、すぐに就職して社会保険に入らない場合には、国民健康保険(1号被保険者)ヘの切り替えが必要です。また、年金分割をされた方は、 年金分割の按 分割合が記載された公正証書・調停調書・判決書等を持参し、年金事務所で年金分割の手続をしていただく必要があります。 離婚後2年以内の請求が必要ですので、ご注意ください。

子の氏の変更、お済みですか?

離婚時に子がいて、親権者になった親が新しい戸籍を作った場合、親権者の戸籍にお子さんを入籍するためには、まずお子さんの名字(氏)を親権者の氏に変更する必要があります。婚氏続称をした場合も同様です。離婚後の新しい戸籍が出来上がつたら(1週間~10日程度)、自分の新しい戸籍とお子さんの戸籍(従前の戸籍にまだお子さんが入っています)を取って、家庭裁判所に「子の氏の変更」の審判を申し立ててください。早い時間に申立すれば、即日に許可が出て、窓囗で審判を受けとって帰ることも可能です。交付された審判書を持って、役所に行き、戸籍担当窓囗でお子さんの入籍届を提出してください。

離婚後の手続き・チェックリスト